2019/10/20

日本のバスケについて
過去・現在・未来で考察してみる

 最近、日本のバスケ界がすごいことになってきているという実感を持たれている方はどのくらいいるだろうか?
私自身バスケットボールが好きになり、よく見るようになってから長いわけではないが、異常なスピードでステップアップしている。事実としてワールドカップ出場や日本人NBA選手の誕生等ハッピーな話題が多い。
今回はそんな期待しかない日本のバスケ界について「過去」「現状」「今後の展望(期待)」の3つの点から書いていきたいと思います。

1,日本バスケ界のこれまで

 まず初めに、バスケットボールの競技人口だが4.5億人だそう。スポーツの中で1位の数字。日本での競技登録者数はサッカーに次いで2位と日本でも馴染みが深いといえる。ミニバスや部活での経験者を含めると相当数に上ると考えられ、ましてやバスケットボールを知らない人はそういないとだろう。
そんなバスケットボールだが、率直に言って特にBリーグ発足までの間は、まるで日の出浴びなかったのではないだろうか。その歴史は以下の通り。

「バスケットボール100年の歴史」
1908年 大森兵蔵が東京YMCAで初めて紹介。
1930年 大日本籠球協会が設立。
1967年 社会人バスケットボールリーグ、「バスケットボール日本リーグ」創設
1976年 法人化により財団法人日本バスケットボール協会(JABBA)設立。
1995年 バスケットボール日本リーグ機構(JBL)設立。
2007年 日本バスケットボールリーグ(JBL)設立、日本協会の略称をJABBAからJBAに改称
◆引用元:https://akatsukibasket.com/technical-language/basketball-japanhistory

JBLとbjリーグの2リーグ制問題は記憶に新しい。
分裂の理由としてはJBLのみの時代は興行権が各クラブに譲渡されず、大企業のスポンサードがないようなチームは運営の資金繰りができなかったため。ひどい話。
この日本のスポーツ興業の話は課題が山積みのため、また改めて書いていければと思う。 2015年4月1日のBリーグ発足までを過去と捉え、競技人口に対しての注目の低さや2リーグ問題、2019年まで44年間ワ-ルドカップへの出場がなかったことを鑑みると、決して順風満帆な道を歩んできたとは言えないのではないか。

2,日本のバスケ界の現在地

 現在のバスケットボールでいうと明るいニュースが多いが、まずトピックとしてあげたいのが「44年ぶりのFIBAワールドカップへの出場」と「日本人NBA選手の誕生」ではないだろうか。
結果としてワールドカップでは1勝も上げられなかったが、事前の国際強化試合ではニュージーランドと格上のドイツに勝利し、今後の飛躍の可能性を見せてくれた。
今後は東京オリンピックへの出場も開催国枠で決まっている。1年間でさらなる個々のスキルアップや戦術の浸透による好成績を期待したい。 続いてNBA選手誕生の話になるが、最近では渡辺雄太選手、八村塁選手、馬場雄大選手(10/13時点ではウエーバー手続きを実施しマブス傘下のGリーグレジェンズ行が濃厚)の3選手がアメリカでプレーする切符を持っている。
特に八村選手はドラフト1巡目での指名をウィザーズからもらい、開幕ロースター入りは決定的と思われる。個人的には渡辺選手がNBAの舞台に出て、得点を取った時の興奮は忘れられない。
余談であるが、彼の高校時代の尽誠学園対福岡大大濠の試合、是非見てほしい。
この状態はある種、NBA(アメリカ)が身近になってきたと言えるのではないだろうか。現在もNCAAで活躍する日本人選手も多数いることを考えると、今後も増えていくことが予想されるし、世のバスケットボールボールプレイヤーたちに夢を与える本当に素晴らしい風潮だと思う。期待しかない日本バスケ!
 舞台を日本に移しても、Bリーグ発足によってしっかりとプロの土台が整備されてきていて、これまたとてもいい風潮ではないだろうか。
観客動員数も年々伸びてきており、1位の千葉ジェッツでは1試合平均5,000人を超えている。(とはいえ1位がこの数字なのは改善の余地しかないことは明白)2017~18シーズンで黒字経営を達成したB1クラブは18クラブ中15クラブとこの数字も良い数字ではないだろうか。
現状のBリーグでは運営権は各チームにあり、入場料やスポンサー広告収入等は入ってくる仕組みになっている。また、Bリーグからも主に以下の4つの事業から得られた収益は各チームに分配をしているよう。(比率は不明)
① 公式試合の公衆送信権(放映権)
② リーグオフィシャルパートナーのスポンサーシップ
③ オールスター・プレーオフ興業
④ オフィシャルの商品(グッズ)
現実問題として黒字経営を続けるクラブが増えることが、日本バスケ界の発展に寄与することは言うまでもない。今後は日本のスポーツビジネスの発展が進み、スポーツ興業もアメリカの用に巨大な産業になっていってほしい。

3,日本バスケの今後

 今後は、競技力でいうと国際的にも通用するような国になり、世界ランクTOP10入りを果たしていってほしい。また、ビジネス的な視点でいうと、更にBリーグが発展しもっともっとお客さんがはいってバスケットボールを経済的にも盛り上げていってほしい。
個人的にはそのような内容を達成するために、日本のスポーツ教育に対してメスを入れていくというより、明らかに日々の興業のレベルを上げるほうが優先と感じている。当然ながら色々な意味で夢のあるスポーツになることの方がアマチュアの人たちのモチベーションも上がる。また、B1のみならずB2,B3でも競技だけで生活していけるような環境を用意することが必然的に競技者数の増加に寄与し、選手層に厚みをだし、競争を生み出す環境が作れ、競技力の底上げをはかれる。
そのためにはしっかりとバスケ(スポーツ)を興業として確立することがとても大切ではないだろうか。今後その興業が抱える課題にも注目して書いていきたい。
 高校、大学生はもちろん、3x3、somecity等様々な形でプレイヤーと観客を魅了しているバスケットボール。まだスタート地点にたったばかりの日本バスケだが、その夜明けは確実に近づいている。